7割以上が間違えている!?リーンアウトの注意点・危険性
今回は7割以上のライダーが
知らずに間違えているリーンアウトに潜む
旋回、Uターンの注意点・危険性について説明します!
目次
7割以上が間違えている!?リーンアウトの注意点・危険性
1.リーンアウトのメリット・デメリット
低速旋回やUターンの指導で
リーンアウトのフォームを
勧められていることがよくあります。
一方で、雑誌や指南書、ライディングスクールでも、
その理由、メリット・デメリットを
合わせて教えていることはほとんどなく、
だいたい一辺倒にUターンはリーンアウト・・
と指導されているように感じます。
この指導定説が一般的になることによって、
ハーレーライダーのみならず、
多くのスポーツバイクライダーたちも
「Uターンはリーンアウトのフォームで行う」と
疑っていないライダーも多いかもしれません。
確かにリーンアウトは
ステアリングを一杯に切って旋回する
最小旋回半径より旋回半径を小さくできます。
しかも上体を残したまま、
車体だけを傾けるリーンアウトは
ライダーの運動量が少ないために
だれでもかんたんにでき、
上体を傾けなくていいために、
比較的恐怖心を感じずに
小ターンを行うことができます。
リーンアウトのフォームについて改めて言うと
車体の傾きより上体が起きている、
車体のセンターの外側に
ライダーの重心があるフォームになります。
このフォームのメリットとしては、
ライダーの上体の運動量が少ないため、
比較的ライダーにとって楽で
簡単なライディングフォームです。
また、上体が起きているため、
見通しのきかないコーナーでは
先の路面状況を確認しやすいフォームになります。
一方、車体の傾きが大きくなるため、
バンク角が深くないハーレーでは、
速度のわりにステップや
車体の一部が接地しやすいフォームです。
簡単かつ、比較的恐怖心が少ないフォームなので、
無意識にこのフォームを取ってしまうライダーも多く、
私がライダー全般を見る限り、
全ライダーの7~8割は、
ご自身の認識とは別に、
リーンアウトのフォームになっています。
2.リーンアウトのリスク・危険性について
ハーレーの場合、
もともと車体傾斜角(バンク角)が深くないため、
リーンアウトを使ってしまうと、
車体の一部を擦りやすく、
また吸ってしまうとそれ以上傾けられないため、
お勧めできるフォームではありません。
またハーレーに限らず、
バンク角が深いスポーツバイクの場合でも、
大きな危険性があることを認識してください。
なぜなら、リーンアウトは、
その車体傾斜角が深いことに加え、
ライダーの荷重方向が
車体の荷重方向と一致しない、
傾いている車体を上からつぶしてしまうような
形になってしまうからです。
このため、十分な荷重による
タイヤの路面グリップが得られにくくなり、
言い換えればタイヤの性能に依存した
フォームになってしまうのです。
ゆえにリーンアウトのフォームで
旋回・コーナリング中に、
濡れた路面や、砂、落ち葉などの
滑りやすい状況があらわれたとき、
タイヤ接地点への荷重が不十分なため
簡単にタイヤのグリップを失い
転倒してしまう場合があります。
ハーレーに限らず、路面状態や安全性の確認が
このリーンアウトのフォームの前提条件になります。
3.本当のリーンアウトは実は難しい!?
リーンアウトのフォームは、
通常のフォームに比べ車体が傾斜し
バンク角が深くなる特徴があります。
二輪車の原理上、旋回・コーナリングの際に
車体を傾けるほど旋回性は高まりますが、
リーンアウトのフォームは、
ライダー重心・荷重が旋回方向に移動しにくいため、
セルフステアを引き出しにくくなります。
一方で車体を一定以上傾けるほど、
車体の自重により切ったステアリングが
戻ってきてしまいます。
たとえば、サーキットを深いバンク角で
コーナリングする車体を
前方からの写真で見るとステアリングが
ほとんど切れていないことがわかります。
よって、ステアリングを意図的に切らないと
バイクを傾けても曲がりにくいフォームであり、
低速旋回・コーナリングほどその傾向が強くなります。
しかもステアリングが戻らないように
無理にハンドルを切ってしまうと
前輪からスリップダウンしてしまう危険も伴います。
このことからもリーンアウトは
ライダーが無意識にできてしまう
やさしいフォームである反面、
理にかなった形で旋回性を引き出しながら、
車体バランスをコントロールするのが
意外と難しいフォームとも言えます。
確かに上手く決まれば、より小さく
曲芸チックにみえるフォーム・テクニックですが、
リーンアウトで旋回性を高め維持するのは難しく、
それゆえ、私はリーンアウトを旋回・コーナリング、
Uターンのスタンダードにしたくないし、
あくまでも、いろいろなテクニックの中の
引き出しのひとつとして、
メリット・デメリットを理解したうえで、
状況に応じて使いたい応用テクニックです。
4.フォームのセルフチェック方法
車体が傾くことへの恐怖心から、
本能的に上体が残ってしまい、
自分ではリーンウィズのつもりが、
結果車体だけが傾斜してしまっている
リーンアウトになっている例が多いものです。
これをチェックするには、
コーナリング中の写真または動画を、
正面または背面から撮影してもらうことを
お勧めします。
またライダー自身がリーンアウトかどうか
兆候を客観的に認識する方法として、
タイヤの摩耗跡があります。
一度、タイヤ左右接地面の状態や、
タイヤ両端の摩耗残跡の幅に、
違いがないかを確認してみてください。
一般的に右旋回を苦手とするライダーが多いため、
右コーナリング、右ターンで上体が残った
“リーンアウト“のフォームになりやすく、
車体をより傾けてしまう傾向にあります。
タイヤ接地面左右の摩耗跡を見ることで、
自身のフォームや乗り方を推測することができます。
5.前輪主導のリーンアウトと後輪主導のリーンウィズ
ところで、前輪主導の旋回・コーナリングは
前輪が先に反応して、
ライダーの身体が遅れて追従してしまう
コーナリングスタイルです。
ゆえに、結果上体が残った
“リーンアウト”になりやすいものです。
逆に、後輪荷重を高め、
後輪と路面の接地点に意識を集中し、
ライダー上体の動きによって
シート上で体重・荷重移動すると
後輪が追従しながら旋回していきます。
そしてこのときのフォームが、
自然で正しいリーンウィズとなり
ステアリングが切れやすく
セルフステアが引き出しやすい状態になります。
この場合、前輪は後輪の動きに
後から追従する補助輪となります。
後輪主導の旋回・コーナリングの
まさに一輪車感覚でライディングすれば、
後輪主体で車体がバランスしているので、
補助輪である前輪タイヤが滑っても
転ぶことはなく安全マージンが増大できます。
また、後輪の“一輪車感覚”を磨くと、
路面接地感やグリップ程度を
お尻で感じることもできるようになるでしょう。
このように、意識的にも無意識的にも
前輪主導のリーンアウトのフォームでの
旋回・コーナリングよりも、
後輪主導のリーンウィズを身につけることで、
旋回・コーナリングに対する安全性が高まります!
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